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第34回医学連大会の報告

 平成29318日~20日に東京都文京区の林野会館にて、

全日本医学生自治会連合第三十四回定期全国大会(医学連大会)を開催しました。

医学連大会の詳細についてお伝えします。


 全日本医学生自治会連合(医学連)とは、

全国25大学の医学部学生自治会が加盟する全国組織です。

各地の学生自治会では

「自習室を拡充してほしい」「食堂の営業時間を延長してほしい」などの

医学生の要求を実現するために、

学生の声を集めて大学側と交渉するなどの活動を行っています。

医学連は各学生自治会のナショナルセンターとして、

各大学の自治会同士をつなぐ架け橋となったり、

医学教育や卒後研修制度の改善のために全国の医学生の声を国に届けたりするなど、

全国的な課題に取り組んでいます。

 そして、そのような医学連の活動を総括し、

来期の方針を決定する場が医学連大会です。

医学連大会で決議案が提起され、

全国の加盟自治組織から派遣された代議員の承認を得ることで

決議が可決され、その方針に沿って医学連は活動していきます。

 以下に、第三十四回医学連大会決議の冒頭を掲載します。

 

「第34回定期全国大会へようこそ!

 全日本医学生自治会連合(以下、医学連)は、

全国民の利益に基づき、全医学生の利益を守るため活動しています。

そのための交流や連携、情報収集・発信を絶えず行うとともに、

全国各地の医学生の自治活動に支えられ、民主的に拡大・強化してきました。

 私たちは想像以上に多くの時間を医学部キャンパスのなかで過ごしています。

講義室で講義を受ける、学生食堂で友人たちとランチをする、

臨床実習で回った病棟で患者さんと直に相対する、

テスト前には図書館や自習室で深夜遅くまで勉強し、

休日には体育館やグラウンドで部活動に励む...

このように、日常生活の多くの時間を過ごす医学部だからこそ、

「もっとこうだったら良いのに...」という思いを誰もが持っています。

また、将来、医師という社会的な責任を持った職業に就くにあたり、

「この授業内容で本当に力がつくのか...

「あるべき医療の姿や社会から求められている医師像とはどのようなものなのか...

などの不安な想いや悩みも、多くの医学生が抱えているところです。

こうした医学生のさまざまな願いを束ね、不安を解消し、

要求の実現へ力を合わせるのが学生自治会と医学連の活動です。

 この定期全国大会は医学連の方針決定の最高機関であり、

全国の医学生の声、要求の集約をし、

全国から参加した加盟大学の学生自治会代議員他、多くの参加学生との議論に基づいて、

今後の医学連の方針を議論し決定します。

 この決議案は、今年1年間の「全国の学生自治会の取り組みや成果」と

「医学連の活動や成果」を振り返ってまとめ、

これから1年の活動の基本方針を掲げた大切なものです。

医学生の声をよく反映させたものにしていくために、

医学連が責任を持って作成し、全国の加盟自治会に提起していきます。

この決議を作成するにあたり、普段要求の聞き取りができない大学も含めて、

広範の医学生の要求の吸い上げを行い、議論の参加を促すことで、

全国の医学部自治組織の一体感や大きな展望を生んでいきたいと考えました。...

 

 今年の第34回医学連大会では、中央執行委員会から決議案、決算、

予算案についての報告があり、大会正式構成員によって承認されました。

 大会期間中は議決だけでなく記念講演、学習講演を通して

学生自治や医学教育、医師養成を取り巻く情勢などについて学習し、

ディスカッションを重ねました。

また、各地の自治会の取り組みの交流を行い、

これからの展望について学生同士で語り合いました。

 

【大会決議案報告】

 決議案とは、これまで1年間の全国の学生自治会と

医学連の取り組みや成果について振り返り、

これからの1年間の医学連の活動方針を決める重要なものです。

大会では、参加者全員の決議案に対する意見を集め、よりわかりやすく表現し、

活動方針を補足・追加するなどして決議案を深めました。

 決議案は4章構成になっており、内容は以下の通りです。

 

第1章 いま大学自治を考える~学生自治会、医学連の意義と魅力とは~

 学生自治会の取り組みは多くの学生の多彩な要求を集め、

一致点を見出し大学運営に参画していくことであり、

医学連はその全国組織として医学生を代表するとともに、

各地の学生自治会同士をつなぐ役割を果たしていることを確認しています。

また、全国医学生ゼミナールの主催団体のひとつとして、

医学生の学びたい・交流したい要求にこたえている点についても述べられています。

 

第2章 今の医学生を取り巻く現状

 医学教育がグローバルスタンダードを満たすために大幅なカリキュラム改定がなされており、

多くの学生が戸惑っていることや、

理解が十分に得られていない状況での新専門医制度の施行について、

多くの学生がキャリア形成に対する不安を抱いている現状などが述べられています。

 

第3章 学びがいのある医学部、より良い医師養成を目指して

 1,2章の内容を踏まえて、当事者として医学教育や臨床研修制度に

参画することの重要性について述べられています。

医学連では今年、自治会交流集会で医学教育を学ぶ場を提供したり、

日本専門医機構と懇談を行うなどの活動を行ってきました。

また、医学連は大学の環境改善や予算拡充のために全国調査や省庁交渉を続けていること、

さらに医学生の自主的な学びの要求にこたえる取り組みとして

医ゼミの開催に責任を負っていることも確認しました。

 

第4章 自治会活動、医学連の活動の発展に向けて
 各大学で新歓を積極的に進めたり広報に努めたりすることが提起されました。

全国の学生自治会の交流を図る自治会交流集会はもちろんのこと、

今までつながりの持てなかった私立大学や未加盟校との懇談にも積極的に取り組み

医学連の輪を広げていくという決意が述べられています。

 

【大会全体の報告】

 医学連の中央執行委員会からは決議案の報告のほかに、

3月に行った厚労省・文科省交渉についての報告(前号の医学連新聞に掲載)を行いました。

また、自治会取り組み紹介では弘前大学、群馬大学、信州大学から発表がありました。

 以上を踏まえて、ディスカッションでは学生自治を行う意義や、

医学連のナショナルセンターとしての役割を改めて確認することができました。

また、宮下先生の主権者教育についての講演から、

医学部の学生自治での小さな成功体験の積み重ねが主権者意識を生み、

社会を主体的に生きるための原動力につながるという意見が多く上がりました。

 1日目と2日目の夜には、宿舎で交流会を開催しました。

今年は学生自治会からの参加者が多く、各大学の自治会交流がさかんに行われていました。

自治会の初心者からベテランまで幅広い学年が集まり、悩みやノウハウ、

自治会活動の意義の共有が行われ、多くの学生が刺激を受けている様子でした。

 大会最終日には全体討論と決議の採択、役員選挙が行われました。

全体討論では決議案に対する意見のほかにも、

多くの参加学生が医学連大会の感想やこれからの抱負を語ってくれました。

一人ひとりが学生自治の意義を自分の実感として解釈し、

自分の大学では何ができるかを見据えることのできた3日間でした。

 

【学習講演会 吉村学氏】

~医師養成に求められる地域の視点~

第34回定期全国大会の2日目の学習講演では

吉村学先生(宮崎大学医学部地域医療・総合診療学講座教授)にお越しいただきました。

ご自身が勤務されていた岐阜県で実践されていた地域医療や、

宮崎大学で現在医学生に対して行っている地域医療教育について

実例をあげながらわかりやすくお話いただきました。

 

吉村先生は長い間岐阜県でへき地医療を行いながら、

先生を訪ねてきた医学生や研修医たちに患者さんの実際の生活を肌で感じるために

患者さんが病院から帰る際に付き添う実習や、

患者さんと医療者のつながりの大切さを実感するために

患者さん宅に宿泊する実習を行うことで地域医療の素晴らしさが伝わるような活動をされていました。

また、宮崎大学に移られてからは「地域医療をさらに活性化させるためには教育が大切になる」と考え、

地域医療に対して魅力を感じることが出来るように、

医学部入学前、在学中、卒業後と長い時間をかけて

地域医療について学べる機会を数多く設け、

地域医療教育のパイプラインを形成することを心がけているとお話いただきました。

 

講演会は吉村先生の地域医療活性化に対する情熱が

ひしひしと伝わってくるものでした。

参加した多くの学生は自分の行いたい医療を改めて考える機会となり、

非常に良い刺激を受けることができました。


【学習講演会 宮下与兵衛氏】

 18歳選挙権と民主主義

 宮下与兵衛先生(首都大学東京 特任教授)にお越しいただき、

日本と世界の主権者教育について、選挙や自治の話題を交えてお話していただきました。

 現在、日本の若者は政治に無関心だと言われます。

しかしながら、その背景には「主権者教育の欠落」という根本的な問題がありました。

海外では、子どもは中学生のときから学校運営に関する委員会に参加し、

自分たちの意見を伝えていくことによって主権者意識を学びます。

一方、日本では選挙権を持つ以前にそのような体験をすることはほとんどなく、

若者の中で社会に参画する意識が育たないのは当然の結果ともいえます。

 主権者教育が政治への関心に影響を与えていることや、

特に海外の子どもたちが学校運営に参画する機会を与えられていることなどは、

初めて聞いた学生が多いようでした。

また、今回の話を受けて、改めて学生自治の重要性について話し合う場面も見られました。

 

 

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