新聞スクラップ
医学連役員が気になる新聞記事を紹介しています。
「医学教育の空洞化を防げ」、
m3.comからのニュースです☆
■「医学教育の空洞化を防げ」、全国医学部長病院長会議
卒前・卒後一貫教育求め、今秋にグランドデザイン公表予定
2011年2月17日 橋本佳子(m3.com編集長)
全国医学部長病院長会議は2月17日、記者会見を開き、従来から主張してきた卒前卒後一貫教育の重要性を指摘、そのためには国家試験や臨床実習などの見直しが必要だとし、これらの点を盛り込んだグランドデザインを今秋に作成することを明らかにした。同会議は2007年9月に「医師養成のためのグランドデザイン」を作成しており、その改訂に当たる。
会長の黒岩義之・横浜市立大学医学部長は、「国家試験対策のために、医学部5、6年生の臨床実習が短くなってしまうという全国大学の共通課題がある。“6年生の医学教育の空洞化”があり、卒前の臨床実習から卒後の臨床研修へのつながりがうまくいっていない。臨床実習や国家試験の見直しを検討しなければならない」と指摘する。「医学部4年生終了時のCBTとOSCEを准国家試験にし、知識を問う試験はCBTに移行させる。将来的には臨床実習が終了した時点のアドバンスOSCEも国家試験とする。最終的な国家試験は、例えば現在の3日間500問から、2日間250問から300問程度にし、臨床実習を真面目にやっている学生であれば解けるような内容にすることが必要」(黒岩氏)。
「CBTとOSCEの准国家試験化」は、「国家が統制するものではなく、各大学がやっていることを認めてもらうということ。国家試験を2回やる、ということではない」(副会長の森山寛・東京慈恵会医科大学病院長)。
2010年10月に設置された「医師養成のグランドデザイン作業ワーキンググループ」の座長を務める、相談役の神保孝一・札幌医科大学名誉教授によると、今秋のグランドデザインでは、こうした構想も含め、(1)医学教育の問題、(2)卒後の医師の養成、(3)卒前から卒後にまたがる問題、の三つの柱でまとめる予定だという。「国家試験のあり方を検証する必要があり、そのためにはどんな形でアプローチすればいいか、といった辺りもグランドデザインに盛り込む」(神保氏)。
臨床実習の充実は「世界標準」を見据えた対応
卒前卒後一貫教育、その実現に不可欠な国家試験の見直しを求めていることについて、相談役の嘉山孝正・国立がん研究センター理事長は、「一番の理由は、国家試験の問題の質が非常に悪いこと。重箱の隅をつつくような問題が出題され、受験戦争になっている。そうではなく、日常的に教育を受け、カンファレンスで学んでいれば回答できる内容にし、『使える医師』の養成につなげるべき」と説明する。
国家試験による臨床実習から卒後臨床研修との間の“断絶”を防ぐとともに、臨床実習の時間数の充実を図るのは、世界的な標準を見据えた対応でもある。米国のECFMG(Educational Commission for Foreign Medical Graduates)では2010年9月、「2023年から、医学教育の世界標準での認証を受けていない医学部の卒業生は、米国での医師国家試験の受験資格がない」とする声明を出している(『外国人医師による教授・研究への従事も検討』を参照)。医学教育の世界標準としては、WEME(世界医学教育連盟)やAAMC(米国医科大学協会)があり、WEMEの基準では医学教育カリキュラムの3分の1以上を臨床実習に充てるとしている。
国家試験の見直しは4年に一度行われており、厚生労働省は医道審議会医師分科会医師国家試験改善検討部会で2010年12月から検討を進めている(『医師国試で「技能」を問うことは可能か?』を参照)。顧問の吉村博邦・北里大学名誉教授は、全国医学部長病院長会議では既に2010年8月に、「医師国家試験に関する要望書」を厚労省と文部科学省に提出していることを説明、臨床実習の時間数は年々増えているとし、さらなる充実に向けて、同検討部会に要望書の内容は反映されることを期待した。
続きはこちらhttp://www.m3.com/iryoIshin/article/132548/index.html?portalId=mailmag&mm=MD110218_XXX
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医師国家試験・CBT・OSCEも見直されてしまう方向性なのですね…!
学生としても引き続き注目していきたいニュースです
投稿者 Yamada 最終更新日: 2011-2-19 12:42
地域枠
■医学部の地域枠、16大学で定員割れ…読売調査
2010年8月17日 提供:読売新聞
地域の医師不足解消を目的に、ここ数年急増した医学部の地域枠が、16大学で2010年度、定員割れだったことが読売新聞の調べでわかった。
地域枠全体の定員から見ると9割以上確保できたが、地域によって明暗が分かれた。
地域枠は主に、地元出身者を対象に推薦などで選抜し、奨学金と引き換えに一定期間の地域勤務を義務づける場合が多い。文部科学省によると、07年度には79大学中21大学(定員計173人)だったのが、地域の医師確保策として、10年度には(入学後に希望者を募る方式も含む)65大学(同1076人)に急増。医学部の全入学定員(約8800人)の1割以上を占める。
調べでは10年度、16大学で募集定員に満たず、不足分は計80人だった。不足分は一般枠の合格者を増やすなどして対応していた。長崎大では5人の地域枠に3人しか志願がなく、合格者はゼロ。宮崎大では10人の枠に24人が志願したが、センター試験の成績が合格ラインに達せず、合格者は2人だった。定員通りの合格者を出したが、入学を辞退され結果としてゼロという大学があったほか、定員には達したものの、合格後に奨学金を辞退した例のあった大学が複数あった。
入学定員(約110人)の半分近くを地域枠に充てている旭川医大は、募集50人に合格者は22人だった。吉田晃敏学長は「地域枠は、地元の学生を大切にしているメッセージとして意義がある。今後も続けたい」と、11年度から合格基準を引き下げて確保に努める考えだ。
医学教育に詳しい平出敦・近畿大医学部教授は「入学前に地域勤務を約束させるより、入学後に地域の現場を体験させて、希望者を育てることが大切ではないか」と指摘している。
投稿者 Yamada 最終更新日: 2010-8-17 20:17
医学部新設と学費に関する記事
■東京新聞 2010年6月19日
【社会】 30年ぶり医学部新設の容認検討 文科省、医師不足に対応
医師不足が深刻さを増す中、文部科学省は18日、養成する医師の数を増やすため、80年以降認めていない医学部新設の容認に向け、本格的に検討する方針を決めた。現行の文科省告示は、医学部の新設を審査しないとしており、約30年ぶりの方針転換。
政務三役が、共同通信の取材に「新設は極力抑えたいが、医療需要が逼迫している地域では解除することが必要だ」と強調した。対象地域は厚生労働省が現在進めている医療需要調査の結果を参考に検討する。
医学部新設には数百億円規模の資金や医療従事者の確保が必要で、新規参入のハードルは高いが、複数の私立大で申請を目指す動きが出ている。
ただ、法科大学院のような乱立を避けるため、文科省は新設校候補として(1)既に看護や薬学などの学部がある
(2)医療系の基礎科目の教員がいる
(3)実習先として地域の病院が活用可能
―などの条件を想定。検討の場で是非を論議する。
文科省によると、医学部新設の認可は79年の琉球大が最後。
しかしその後、医師不足が深刻化し、08年度から医学部の定員増に転換。本年度入学分は過去最多の8846人を認めたが、教育の質確保の点からこれ以上の増員を懸念する大学関係者の声も出ていた。
(共同)
■朝日新聞 2010年6月18日
「日本は家計の教育費負担大きい」文部科学白書が特集文部科学省は18日、同省の取り組みをまとめた冊子「文部科学白書」を発表した。「リーマン・ショック」以降の不況によって教育費の負担感が高まっていることを背景に、同省の白書としては初めて教育費問題を特集。「日本は国際的にみて家計の教育費負担が大きく、公的支出が少ない」と強調したうえで、「教育に十分な資源を振り向けることが喫緊の課題」とうたっている。
特集では、子ども1人が幼稚園から高校まで公立、大学は国立に通った場合が約1千万円、すべて私立なら約2300万円かかるという現状を紹介。「子ども2人が私立大学に通っている場合は、勤労世帯の可処分所得の2分の1超を教育費が占める」と負担の重さを強調している。
さらに、教育支出に占める私費と公費の負担割合を国際比較した場合、日本は大学などの高等教育段階では私費7割、公費3割(先進国平均=私費3割、公費7割)と家計の負担がとりわけ重いことを指摘。政府支出に占める教育支出の割合が先進27カ国中最下位であることなど、公的支出の少なさを示すグラフをいくつも載せて、「不況で苦しい家計に教育費が重くのしかかっているが、公的支出は手薄」という日本の現状を浮かび上がらせている。
投稿者 Yamada 最終更新日: 2010-6-28 11:40
子宮頸がん:ワクチン、小6に初の集団接種…栃木・大田原
毎日.jpからのニュースです☆
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栃木県大田原市で13日、小学校6年生の女子児童を対象に、子宮頸(けい)がん予防ワクチンの集団接種が始まった。1人当たり4万5000円の費用を市が全額負担する集団接種は、市などによると全国でも初めてという。来年度以降も続ける方針。
市によると、市立小23校で来年1月までに、6年女子334人のうち希望者329人に接種する。福祉政策に力を入れており「女性の命を守ることは少子化問題の観点からも重要」として公費負担を決め1人3回分、計約3000万円を10年度予算で賄う。初日は金丸小の10人が接種を受け「がんになるのはいやなので、注射してよかった」「思ったより痛くなかった」と話したという。
立ち会った自治医大の鈴木光明教授(産婦人科学)は「接種率を上げるには集団接種が有効で、学校での接種は素晴らしい」と話した。
子宮頸がん予防には若年層へのワクチン接種が有効とされるが、3回で計5万円前後の費用がネックになっている。
2010/5/13
http://mainichi.jp/select/today/news/m20100514k0000m040066000c.html
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予防できる病気は予防する…大事な取り組みだと思います!
全国に広がるためにはお金の問題も無視できないところですね。
投稿者 Yamada 最終更新日: 2010-5-13 23:16
奨学金の返済額、10年は半額OK 学生支援機構が新制度
asahi.comからのニュースです☆
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『奨学金の返済額、10年は半額OK 学生支援機構が新制度』
大学生の約3割に奨学金を貸している独立行政法人「日本学生支援機構」が、経済的な理由で返還が難しくなった人に対して、10年間の月々の返済額を2分の1にできる新制度を年内に創設することを決めた。これまで失業や低賃金などで返済に困った場合、期限を先送りする猶予制度しかなかったが、少額でも返せるようになる。
対象になるのは、収入の目安が300万円以下で、経済的な理由で返済が難しい人。ただし、延滞している人には適用されない。機構には、これまで失業や経済的に困窮した人には、1年ごとに最長5年間、返済の猶予制度があった。ただ、「返済額全額は難しいが、少しずつなら返せる」という声も多かった。
機構は2004年に設立され、無利息の「第1種」と利息付きの「第2種」の奨学金を貸している。08年度の新規貸与者は40万人で、第1種は11万人、第2種は29万人。大学生の3人に1人が利用しているという。奨学金は卒業後に返還するのが原則だが、返還状況は芳しくない。08年度は3558億円が返還予定だったが、未返還は2割の723億円にのぼる。3カ月以上滞っている人も年々増えて20万人になった。
機構が08年暮れに行った延滞に関する調査では、6カ月以上延滞している人(回答6517人、回答率6%)の場合、年収300万円未満が85%を占めていた。職業は、アルバイト36%、正社員31%、無職17%、主婦9%の順だった。延滞の理由(二つまで回答)は「本人の低所得」40%、「親の経済困難」36%など、経済的な理由が並んだ。
機構は「返還金は次世代の奨学金の原資になる。返還意欲のある人には少しずつでも返してほしい」と利用を呼びかける。
http://www.asahi.com/edu/news/TKY201005030093.html
2010年5月3日
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投稿者 Yamada 最終更新日: 2010-5-11 16:23
島根大が意見交換会 地域医療支援学講座を新設
asahi.comからのニュースです☆
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島根県内の医師不足を補おうと島根大医学部(出雲市)は今月、卒業して間もない研修医のへき地医療に携わる意欲を高めたり、安心して地域医療に取り組める環境を整えたりする地域医療支援学講座を新設した。5日に同学部で意見交換会を開き、医師不足のとりわけ深刻な県中西部の大田市・江津市・邑南町の首長や病院長に講座で取り組もうとしていることを説明した。
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講座は、専任教員4人や事務職員の人件費に充てる年6千万円を県が負担する4年間の期限付き寄付講座。
古里のへき地で活動したい人を選抜する地域枠推薦で入学した学生などが、卒業して研修医となった後も地域医療への意欲を高められるように支援する。地域の医師や患者と接する機会を増やしたり、医療機関のニーズと進路の希望とを調整したりして研修医と地域とのつながりも増やす。
調整を担当する専門職や、現場に即した救急医療の実技を指導する救急救命士を教員にした。約2800人いる島根大出身医師に県内で働くように働きかけもする。
意見交換会で小林祥泰・医学部付属病院長は「勤務先を無理に押しつけても、奨学金を返済して流出することになり、長続きしない。地域にとどまりたい気持ちを育てることが医師確保につながる」と述べた。3月まで県央保健所長だった谷口栄作・同講座教授は「キャリアプランを自分で作れるように支援することや医師が働きやすい環境をつくることが重要だ」と話した。
意見交換会には約30人が出席。自治体や地域病院の側からは「このままでは、医師の多い出雲圏の医療までもしわ寄せでパンクしかねない」「地域枠推薦の対象者をふやしてはどうか」「地域の切り捨てにつながるような医療集約化を避けて欲しい」などと意見が出た。
http://www.asahi.com/edu/news/chiiki/TKY201004100200.html
2010年4月10日
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「勤務先を無理に押しつけても、奨学金を返済して流出することになり、長続きしない。地域にとどまりたい気持ちを育てることが医師確保につながる」という言葉に大きく共感します。
投稿者 Yamada 最終更新日: 2010-4-21 20:03
香川大生 不況やりくり 「支出月5万円未満」 41%
YOMIURI ONLINEからのニュースです。
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『香川大生 不況やりくり 「支出月5万円未満」 41%』
奨学金ため ■ コンパも行かず ■ 1日1食 生活実態調査
<1日1食>に<家計簿男子>――。不況の影響から、香川大生(約5000人)の約40%が、平均して月5万円未満で生活していることが、同大学の学生生活実態調査でわかった。親元からの仕送りが減り、8割以上の学生がアルバイトを経験。就職も不透明なことから、少しでも貯蓄しようとする学生もおり、節約してやりくりする暮らしぶりがうかがえる。
調査は、全学生を対象に昨年末、インターネットで実施。約600人から回答があった。集計(速報値)によると、授業料を除いた1か月の支出が5万円未満の学生が、前年より6ポイント増えて41%。逆に、5〜10万円と答えたのは48%で前年から2ポイント減った。
支出の内訳をみると、生活費が40%を占める。しかし、本代などの教養・娯楽費(30%)、交際・コンパ費(7%)も必要で、学生たちは、あの手この手の節約術に知恵を絞る。
今春の卒業生の内定率が悪いのを知った農学部2年の女子学生(19)は「就職できるのか不安で、奨学金はためている」と、将来の返済に備え、出費を控えている。法学部1年の男子学生(20)は、教科書は先輩から譲ってもらった。「出費のかさむコンパはアルバイトを理由に行かない」。買い物をすると、すべてのレシートを手帳に張り、無駄遣いを抑える。月に2万円の“黒字”を出すことが目標という。
経済学部1年の男子学生(19)は「まかない料理付き」を条件に居酒屋をバイト先に選んだ。「動けばそれだけ腹が減る。だから昼間はとにかく寝る。朝・昼の食事を抜き、夜にまかない料理に“がっつく”」。同学部2年の女子学生(20)は、飲食店など3店でアルバイトを掛け持ちする。それでも「飲食店は閑古鳥で時給は1年前から3割減」と嘆き、飲み会の回数を減らしているという。
過去1年間にアルバイトをした学生は全体の81%。しかし、その3割は「勉強時間が少なくなった」としており、不況が学業にも影響を及ぼしているようだ。
同大学教育・学生支援室によると、家計事情から授業料(今年度は年額53万5800円)の減免を申請した学生は、2004年度前期の739人から、09年度前期は785人に増加。このため大学は4月から、基金を活用し、優秀な新入生18人について、入学直後の半期分の授業料を全額補助する“特待生制度”を新設する。ただ、同室は「学生への経済的な支援策は十分ではない」としており、授業料減免枠の拡大も検討しているという。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kagawa/news/20100327-OYT8T00865.htm
(2010年3月28日 読売新聞)
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“家計事情から授業料(今年度は年額53万5800円)の減免を申請した学生は、2004年度前期の739人から、09年度前期は785人に増加”というところに注目してしまいます。申請者が46人も増えているということは、申請していなくても金銭面で苦しい学生はもっといるということだと思います。
金銭的に苦しいと精神的にも余裕がなくなってしまいます。
安心して学べる教育環境づくり…不況の中、本当に大変だけれど、切実な問題ですね。
投稿者 Yamada 最終更新日: 2010-4-1 12:04
卒業
asahi.comから『医者の養生不養生〜卒業〜』 医学博士の真田歩さんのコラムを紹介します。
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3月末である。袴姿の女子学生の姿を地下鉄で見かけた。蝶ネクタイをした幼稚園児がセレブママに手を引かれて歩いていた。卒業の季節である。外来の途中で院内ピッチが鳴った。今日は忙しいのにと少々いらいらしながら出る。
「真田です」
「真田先生、実習でお世話になったMです」
「おお〜〜! 元気? どうしたの?」
「一応大学卒業できたんで、先生のお邪魔じゃなければ今日の夕方ご挨拶に伺いたいなと思って、アポイントをと思って電話しました…」
「おお、そうかぁ、そうだよね。卒業だよね。おめでとう。ご挨拶だなんてご丁寧にどうも。でも、ここの病院ちょっと遠いしそんなわざわざこなくてもいいんだよ。いや本当におめでとう」
「ありがとうございます。でも、先生には直接会ってお礼を言いたいし」
女子医学生のMさんは夕方に病院を訪ねてくれた。いっしょに病院実習をした他の学生2人といっしょだ。実習といってもずいぶん前の事だし、そう言えばひどく態度が悪くて怒鳴りつけたことを思い出した。
「おーい、Mさん、こんなところまでどうも。おお、君たちもいっしょかい!」
「真田せんせ〜〜!!!」
「そうかぁ、卒業かぁ。おめでとう。国家試験はどうだった?自己採点は?」
「いけると思います。でも、まだちょっと自信なくて。」
「まぁまぁ大丈夫だよ。じゃあ国試の合格が確定したらきちんとお祝いしようね。今日はまだこれからいろいろやることがあるからご飯でもごいっしょしたかったんだけど、ごめんね」
「いえ。そんなつもりじゃなくて…。先生に会いたかったから」
Mさん達仲良し女子3人組は夏休みを利用して病院見学やら病院実習やらでここに来ていた。研修は大学病院ですることにしたという。
「でも、この病院で実習したのが一番実践的だったんですよ」。そう言うと3人は、人気のなくなった病院正面ホールをぐるっと見渡した。
「もう学生じゃないんですよね。今度は医者になってこういうところで働くんですよね」
「でも何科に行こうかとか、まだ全然決まらないんですよ」
「なんか仕事だけじゃなくてちゃんと結婚もしたいっていうか…」
国家試験だの卒業試験だの、ガリガリとがんばらなくてはいけなかった当面の目標がなくなって少し途方にくれている様子。洋々たる未来が開けたことへの少しの不安。こんな時にはそういう気分になるものだ。
「真田先生、実習中厳しくってほんと、いやだなって思ってたんです。でも、後から考えたら一番充実してたのもこの病院だったんです。ホント自分のためになったなぁって。なんだか真田先生にはちゃんとお礼いいたいなって思えてね」
「ね〜」
「またカツを入れてもらえるかなってね」。女の子たちは顔を見合わせて照れくさそうに笑う。
これから君たちの「医者人生」が始まる。きっと思っていたことと違うことばかりに直面すると思う。理想と現実の狭間で自分の無力さを知ること、それでも何かを成し遂げようと努力することが医者として成熟していくことなのだよ。自分に甘くては勤まらないのが医師という職業だ。逃げないで逃げないで研修に励みたまえ。カツならいつでもいれてあげよう。
ご卒業おめでとう。そして、医療の世界へようこそ。
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久々に医療関係の情勢のニュースを紹介しようかとも思いましたが、明日から4月!いよいよ、3月に卒業された先輩方が医師として社会にデビューするのですね・・・
本当にがんばってください!!
投稿者 Yamada 最終更新日: 2010-3-31 13:30
医師の卵 病院にメス
asahi.comからのニュースを紹介します!
『医師の卵 病院にメス』
◆山大生ら 働きやすさ公表へ
山口大医学部の学生らが県内の病院を巡り、働きやすさを評価し、公表する取り組みを始めた。名付けて「私たちはこんな病院で働き隊」。評価することで病院の労働環境を改善し、ひいては医師不足の解消につなげる目的。学生が病院を評価するのは全国でも初めての試みだという。
先月22日の昼下がり。「働き隊」の5人が岩国市の国立病院機構・岩国医療センター(竹内仁司院長)を訪れた。580の病床と25の診療科を備え、県東部で唯一、救急救命センターを持つ県内でも中核的な総合病院の一つだ。2012年度に愛宕山地域開発事業跡地への移転が決まっている。
隊員は「病院の理念・全体的雰囲気」「労働条件・形態」「育児支援」など9項目を10段階で評価するシートを手に、竹内院長の案内で院内を巡った。
「ありますね、女性用当直室」。隊員の1人、4年生の松本日香里さん(24)が足を止めた。「医師(女性用)当直室」のプレートを見つけたのだ。通常の当直室も確認し、間取り図をメモした。
医局では、藤本剛内科医長(42)の説明を受けた。「この時間、医者は院内を走り回っています。だから医局には人っ子一人いないんです」。隊員はうなずき、シートに評価を書き込んでいった。
巡回後、竹内院長は「当院は患者、設備、医師の三つがそろっている」と魅力をアピールし、「責任を持って育てたいので意欲のある人に来てほしい。県内に残って活躍していただきたい」と隊員に熱いラブコールを送った。隊員は一様に満足した様子で、3年生の長谷川奈々さん(23)は「雰囲気がよく、先生方も丁寧に説明してくれた。こういう病院なら、研修したいと思った」と話した。
「働き隊」は県が医療体制の充実を目的に08年4月、寄付講座として同大医学部に設置した「地域医療学講座」の一環。評価の結果はホームページ(http://ds.cc.yamaguchi−u.ac.jp/〜tiiki/hatarakitai.htm)に掲載する。訪問は昨年8月の山口労災病院(山陽小野田市)に続いて2回目だ。
同院については、「よく整理されており、スペースにも余裕があり、明るい印象」「女性医師にとってはとても働きやすい病院」として、評価の平均を「7・6」とまとめて公表。患者のプライバシーや安全性への配慮に関する「リスクマネジメント」では「9」だが、研修や研究への支援に関する「キャリアアップ・生涯教育」では「6」だった。今回の結果は現在精査しており、今月末にまとめる予定だ。
これまで病院の評価といえば、患者のための評価が主だったが、「働き隊」を企画した同大の福田吉治教授(地域医療学)は「学生の生の声が病院を改善する。学生と病院がコミュニケーションを取れば、医師不足の解消にもつながるはずだ」と話している。
2010年01月19日
http://mytown.asahi.com/yamaguchi/news.php?k_id=36000001001190004
“医師の労働環境”を整えることは医師の過労死や女性医師の現場復帰を助けることにつながります。今、どの大学の医学科でも女子の割合は半分に近くなっていると思います。
働きやすい職場…切に望みます!!
投稿者 Yamada 最終更新日: 2010-1-22 21:46
阪神淡路大震災から15年
1月17日は震災から15年の日、でした。
神戸には「神戸新聞」という地元紙があって、そこで15年特集をいろいろ掲載していたので、一部紹介します。
15年特集トップページ:http://www.kobe-np.co.jp/news_now/10shinsai.shtml
“家族ありて”という特集では、震災後の家族のあゆみを掲載していました。涙なしでは読めません。
http://www.kobe-np.co.jp/rentoku/shakai/201001kazoku/
医療…という観点から気になったのは
“震災の「石綿被害これから」神戸で国際シンポ”という記事。
〜引用
阪神・淡路大震災や米中枢同時テロなどで倒壊した建物から飛散したアスベスト(石綿)被害を考える国際シンポジウムが17日、神戸市中央区のホテルであり、有識者らが石綿被害対策の重要性を指摘した。
立命館大学主催、神戸新聞社の共催。市民約220人が参加した。冒頭、加藤正文・本紙論説委員が「阪神・淡路で全壊した建物は約14万棟。(中皮腫など)本格被害が出るのはこれから」と報告。同大学の宮本憲一客員教授が「震災での石綿被害に関する記録を作り、地域防災計画に石綿対策を入れる取り組みを神戸から始めるべきだ」と訴えた。環境再生保全機構の森永謙二顧問医師が「中皮腫のピークは2030年以降では」と指摘した。
特別講演では、石綿研究に詳しい米マウント・サイナイ医科大学のステファン・レビン医師が、米中枢同時テロ被害などの教訓を伝えた。
(2010/01/17)
http://www.kobe-np.co.jp/backnumber/sinsai15/0002650259.shtml
中皮腫のピークは2030年以降、という報告は注目です。
震災後、神戸以外に移り住んだ被災者の方もおられます。直接被災された方はもちろん忘れられないですが、医療者としても震災のことは忘れちゃだめですね。
投稿者 Yamada 最終更新日: 2010-1-19 16:31